浜田真理子オフィシャルブログ「本日のハマダマリコ的こころII」

浜田真理子がステージで「アカルイ」としたら「哀しみ」をバック・ステージに置いてくるから、最初の曲、最初の音、鍵盤に指を下ろすまでの短くはない沈黙の時間は、それでもなお胸に残っている哀しみの種を、しばし眠らせるためにある。
大阪梅田「ロイヤルホース」 の2024年幕開けライブ、少し違うと思ったことが二つあった、いつもは受けないリクエストを2曲唄ったこと、曲間の話題の枠をこえて朝ドラ『ブギウギ』から3曲唄ったこと。
「ラッパと娘」から「買物ブギー」へ、呼応する手拍子が響くフロアの隅でホットウイスキーを飲みながら、まったく唐突に頭に浮かんだのは香港の「雨傘デモ」の映像であり、聞こえてきたのは（不思議なことに）若者たちの「加油」と叫ぶ声だった、 「加油！、加油！！」
「コロナ禍」がようやく収まる兆しを見せて少し希望を抱いた年末、それが能登大震災や航空機事故によって暗転してしまった新年、浜田さんはぼくたちを「encourage」してくれているのかもしれない、そんなふうに感じたのは、今まで何度もライブを聴いてきたけれど、多分初めてのことだ。
アンコールに応えて唄い始められた「街の灯り」が「Mr. Lonely」に移っていた、サキソフォンの音色が、いつもと少し違った響きをしているようだった。