浜田真理子オフィシャルブログ「本日のハマダマリコ的こころII」

「COVID-19がなかったら、浜田真理子が〈FOR YOU〉をこんなふうに唄うことはなかったかもしれないな」、というのが6月22日の配信を視聴したあとの最初の感想だった。
浜田さんの歌世界は自身の音楽的知性でコントロールされている、それは「泪抜き」といった修練をへたものなのだけれど、この夜の「FOR YOU」は、どれだけ意識的だったかは別にして、そういった枠組みから少しばかり自らを解き放っていたのではないか、そのことが聴いた後の僕の胸のザワザワ感につながった、そして、会場の聴衆も同じ思いだったことが、ディスプレイ越しに確かに伝わってきたように僕には感じられた、と、ここまで書いてきて、あるラジオ番組で唄われた「卒業写真」のことを思いだしたのは、この解き放ちには多分MARINOさんの存在も関係していると思われたからである。
「水の都に雨が降る」から「わたしたちのうた」まで、もちろん浜田真理子の歌世界はこの日も揺るぎ無くあって、その歌たちのそれぞれについて、そしてとりわけアンコール、原田郁子さんも加わっての「夢の中で泣いた」にもふれずに、何故ほとんど妄想のようなことを僕は書かずにいられなかったのか、で、ここから冒頭の感想に戻ってしまうのだけれど、さて、僕たちは次どんな浜田さんを聴くことができるだろうか？