1964年島根県生まれ、松江市在住。
'98年暮れ1stアルバム『mariko』をリリース。東京の大型CDショップで口コミでロング・ヒットとなる。'02年レーベル美音堂が設立され10月に2ndアルバム『あなたへ』をリリース。'03年12月廣木隆一監督、寺島しのぶ主演映画「ヴァイブレータ」にて「あなたへ」が挿入歌となり話題になる。'04年テレビ番組「情熱大陸」に出演し反響を呼ぶ。'06年大友良英プロデュース3rdアルバム『夜も昼も』をリリース。地元島根を舞台にした錦織良成監督映画「うん、何?」にて音楽を担当。'08年世田谷パブリックシアターにて、演出家久世光彦のエッセイ「マイ・ラスト・ソング」を題材にした音楽舞台で女優小泉今日子(朗読)と共演し好評を博し、各地で開催を続ける。'09年NHKドラマ「白洲次郎」にて『しゃれこうべと大砲』が挿入歌に起用される。'09年4作目となる『うたかた』をリリース。'11年資生堂アースケアプロジェクトCMに『LOVE YOU LONG』を書き下ろす。'13年5作目となるアルバム『But Beautiful』をリリース。
夏休みその3完結編[ハマダマリコ的こころ]

終戦記念日。今年もまたこの日がやってきて戦争について思いをめぐらせる。誰でも争いごとや戦争は嫌だと思っているだろうと思うのだけど、どうやらそうでもないのか、なかなか戦争はなくならない。今もどこかで戦時中の国はある。そして今後戦争をしたいと思っている国や人たちも世界中に少なくない。なんだかな。戦争をしたいと思っている人はほぼ全員戦争に行ったことがない人で、しかもたいていは戦争をすると儲かる人であって、戦争に行かされてよその国の人を殺したり殺されたりする人たちではない。だからどうしても話が平行線なんだろうな。想像力の欠如。戦争になったらきついだろうな、悲しいだろうな、そういう想像力を補うために、文学や音楽や演劇や映画がある。語り部たちの話がある。ほんとうは、そんなのなくたって、だめなものはだめなんだけど。わからないかな。人間はばかだな。
すべての生きたかった人のために。
さて、台風10号がどうやら松江を直撃しそうです。今日は午後から17日の松江ミュージックバー・バースデーでのライブのためのリハーサルを今回の出演者みんなでするはずだったのだけど、台風で帰れなくなったりしたら困るので昨日からニュースを見てはそわそわしていた。朝のニュースを見て、夕方がやばそうだなと思いリハーサルは明日に延期することにした。動きの遅い雨台風のようだ。どうかどうか被害が少ないことを祈ります。
HISOMでの夏休みは何物にもかえがたい経験だった。毎朝起きて、庭の草花にホースで水まきをする。それから洗濯をして、朝食の準備。MARINOが作ることもあったり、わたしが作ることもあった。朝食が終わると洗濯物を干したり、部屋を片付けたり音楽を聴いたり、各自自由時間。あっという間にお昼になって、またお昼ご飯を作って食べて午後からは歩いて3分の海へ行って、泳ぐ、というか水浴び。以前はとても人の多かった海水浴場だったそうだが今は閑散として、そのせいで海の水がとてもきれいだ。

朝ご飯

水遊びのあとは部屋に戻ってそれぞれ昼寝をしたり、歌を歌ったり。時には車で温泉街まで下りて、買い出しをしたり、熱い熱い温泉(薬師湯や元湯)に入りに行った。元湯に行ったのは滞在中一度だけだったけれど、ほんとにゆでだこの気持ちがわかるかのようだった。外の気温が30度を越える真夏にどうして48度の温泉に入ったのだろう、と去年も思ったことをまた今年も思ったのだけど、入ったあとはさっぱりぐったりでよく眠れるのだ。肌もさらさらになるし。きっと、なんで来たんだろうってまた思いながら来年も入りに来ることだろう。
途中、友達が遊びに来た。布団もあるから、遊びにおいでよと行ったら松江から妹と甥、それから友達が3人泊まりに来た。日程の関係で全員同じ日には来れなかったけれど。最初はスイカを持って妹と甥が来た。甥は7月まで会社員をしていたけれど、辞めて東京へ行くことになった。何のために?とかは特にないようだけど、一回東京の風に吹かれてみたいらしい。いい会社に勤めていたのにもったいないなあと大人は思うけれど、東京へ行きたい気持ちもわからんでもない。長い人生ですから、少しは親元を離れて広い世界を見てくるものいいね。と、思ってはみるけど、心配だわ。あの子「大天然」だから。どうぞ悪い人にだまされませんように。というわけで、妹は時々息子の旅立ちにしんみりしていた。毎週土曜の夜にやっているという神楽を見て、そのあとはカラオケに行った。盛り上がった。

犬のいるカラオケスナック
翌日妹と甥が帰ったあと、夕方頃から松江の友達が3人スイカを持ってやってきた。到着してすぐみんなは海に行った。夕陽がとてもきれいだったとのことでたくさん写真を撮って「映え」ていた。妹がつくりおいてくれたカレーを食べるとすっかり外は暗くなって、花火をしにまたみんなで浜辺へ行った。大人ばかりで花火というのもなかなかおもしろかった。星がとてもきれいだった。みんなで輪になって寝転がっていろんな話をした。青春みたいだった。わたしが向いている空には流れ星がいくつも流れて、わたしは4つも見てしまった。「4つのお願い」かよ。海水浴、すいか、カレー、花火、流れ星、ってこんな夏100年ぶりだわーと言いながら戻った。

翌日友達がみんな帰ってしまうと少し寂しくなってしまったけど、いよいよ音楽合宿だね、とMarinoと話してがんばることにする。ご飯の時間に時々フジロックの動画とかを見たりした。加山雄三さんがすごくて何度も何度も見た。


その他の客人はのら黒猫が2匹。最初は1匹ずつ来ていたから、てっきり同じ猫だと思っていたけど、いつしか2匹そろってくるようになった。親子かな。朝と夕方、ごはんを食べていると必ずやってくる。ミルクを置いておいたら、お母さんらしき猫のほうは警戒してあまり近寄らないけど、子猫はどんどんやってくるようになった。のらちゃんだからしかたないけど、毛並みがけそけそしていて、放浪もたいへんそうだ。

サルるるる
温泉街へ下りる道では猿も見た。また夜の海の近くではイノシシの家族もみた。そして朝からウグイスの声がする。昼になるとセミが鳴く。人の少ない集落だけど、結構にぎやかである。こういうところにいると、人間もなんだか謙虚になる。自然の中でなんだか、おじゃましてすいません、みたいな。
集落の中の臼井さんという方がサザエをわけてくださった。奥様が料理の仕方わかる?と言われて、えーと、と言っていたら、じゃ料理してきてあげるねとまた持って帰られた。夕方ご夫婦でサザエの壺焼きやら、あわびのバター焼きやら、とこぶしやら、刺身やらいろいろくださって、めちゃくちゃおいしかった。感謝です。

明日で帰るという日に管理人の近江さんから連絡をいただく。最終日にライブをするとおっしゃってたけれど・・・とのこと。あーそういえば宿を予約するときに、そんなことを言ったような・・・。「無理だったらいいですよ」と言われたけれど、この滞在でいろいろお世話になったので、ちょうど楽器も持ってきていることだし、ミニライブならできますよとこたえ、夕方から温泉街のあのカラオケスナックでライブをすることにした。

臼井さんご夫妻や、そのほか集落の方々や近江さんのご家族など来られたので30分ほど演奏した。テネシーワルツを歌ったら、臼井さんの奥様が「両親の思い出の曲でとても嬉しかった」と言ってくださった。翌日帰るのかと思うと寂しいなあと言っていたら、その席で、臼井さんが明日の朝、帰る前に船に乗せてあげるよと言われた。朝起きられるかな。

臼井さん
朝、がんばって早起きして臼井さんのお宅へ行くと、もう準備してくださっていた。沖泊から温泉津港まで行って帰ってきた。きれいなきれいな海だった。


起きてご飯を食べて寝るだけの夏休みだった。けれど、とても豊かな気持ちになった。お世話になりましたみなさん、ありがとうございました。ビバ、温泉津。ビバ日祖。ビバHISOM。またきっと行きますね。
あ、そうそう。温泉津ライブも決まりました。10月5日温泉津温泉、西念寺にて。この夏作った歌、歌おうと思います。詳細は後日。お楽しみに。
では、台風が接近してきたので、今日はこのへんで。みなさまもご安全に。
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