視聴コーナー
You Tube浜田真理子公式チャンネル
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コンサート情報
■浜田真理子 TOWN GIRL BLUE
2017/4/13(木)
Billboard Live TOKYO (東京都)
[出演]
浜田真理子/Mariko Hamada(Vocals,Piano)
服部正美/Hattori Masami(Drums,Percussions)
加瀬達/Toru Kase(Bass)
檜山学/Manabu Hiyama(Accordion)
[一般発売]
2017/2/21(火)10:00〜

■うたの女子会
浜田真理子〜畠山美由紀〜市川愛コンサート
2017/6/4(日)
高松オリーブホール (香川県)
[一般発売]
2017/3/1(水)10:00〜

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コロラドの月
 フレーバーストーン.jpg

 春の一日、急ぎの仕事にも追われていないので散歩がてらプリンターのインクを買いに出た。いいお天気ですね。春ですね。独り言を言って、カーステレオのCDに合わせて歌いながら家電量販店に行く。ええと、わたしのインクは「カメ」。箱にカメの絵が付いている。世にプリンターが多くなりすぎて品番を覚えられない人が続出、間違ったのを買って帰ってあとで返品という流れを避けるためか、他の理由か知らんけど、突然インクの箱に絵が描かれるようになった。わたしのプリンターのインクは「カメ」。これなら忘れないね。どこかの空港の駐車場にも動物の絵が描かれていた気がする。サルとか、キリンとか。前にイオンの駐車場で、自分の車の場所がわからなくなって15分くらいさまよったことがあった。あそこにカメとかサルが描かれていれば。
 
とにかく、吉四六さんみたいに「カメカメカメ」と言いながらインクの箱を手にレジに向かう。本当は一瞬、ほんの一瞬だけだけど忘れて「カバ」だったかな、と思ったけど、すぐに思い出したから大丈夫。
 それからちょっとしたものを買いにドラッグストアにも寄る。ドラッグストアといっても家電から、衣料品から食品まで安い値段で売っているお店だ。品ぞろえが多くて歩いているうちに何を買いに来たか忘れてしまうくらいだ。視覚情報が多過ぎなんですよ。そう。わたしのせいじゃなくて。だから今日も忘れてしまって、店内をぶらぶらしているうちに日焼け止めとか、なんかよくわからないクリームとか、特にいらない洗剤とか、別に今買わなくてもいい領収書の綴りとかかごに入れてずんずん歩く。
 食料品のコーナーに来てチーズとかが並んでいるのを見て不意に涙が出る。今気づいたけど、家電量販店からのドラッグストアのルートは通い慣れた道だった。亡くなった父と。

 10日にいっぺんとか、2週間にいっぺんとか、よく買い物に連れて来た。簡単なものなら父は一人でセニアカーに乗って近所のコンビニに行くこともあったが、病院の帰りとか、重い物や、大きい物を買うときには、よく送迎を頼むメールが来た。父は機械に強くてテレビを録画したものをDVDに焼いてラベルをパソコンで作ったりもできたが、なぜかメールは下手で、「。」が打てなかった。なので、最後まで「、」でつながった「明日、時間があったら、買い物に、連れて行ってください、お願いします、」みたいなメールが来た。

 特にここのドラッグストアは父のお気に入りだった。なぜなら一つのお店ですべて事足りるから。あちこち行かなくて済むし、デパートみたいに上がったり下がったりしなくていいからお年寄りにとっては便利だろう。ただ、ホームセンター級の広さになると今度は疲れるから、途中に椅子がほしいとは言っていたけど。病院の先生にタンパク質が足りないからチーズを食べなさいと言われてからは、ここでよくプロセスチーズを買っていた。ほんとはチーズが嫌いだけどブラックペッパー入りなら食べられるとか言って。そんなことをあとからあとから思い出してああ、ここではパンツを買っていたなあ、とか、ああここでは昆布茶を買っていたなあと売り場ごとに思い出して涙と鼻が出た。

 レジで会計をしている間は涙がひっこんだ。レジのお姉さんに笑いかけることさえできた。でも、店の外に出て車に乗ったら涙が止まらなくなった。ほんとうに、話したいことがいっぱいあるのに。白鵬のことや、選挙のことや、「ざんねんないきもの事典」のことや、鶴岡雅義のレキントギターのことや、東京ロマンチカのことや、風呂がま洗浄剤の1つ穴用と2つ穴用の違いとか、グッピーの水槽のこととか、ピンクムーンのこととか、ホーランエンヤのこととか、仏壇のこととか、切り絵の陶山さんのこととか。父が部屋に残したメモの「フレーバーストーン」についてみんなが謎に思っていることとか。

 いつまで悲しいんだろう。いつまで泣くんだろう。かなわんよ。そんなに悲しむつもりはなかったよ。そんなに好きかはわからなかったよ。葬式も四十九日も終わったし、コンサートだってあんまり泣かずにちゃんとやったのに。仕事の合間に気を抜くと、こんなふうに不意に涙が出るから、もう気を抜かないようにしよう。もっと仕事をしよう。なんつって。それは嘘ですけど。父の話し相手になってあげてるつもりだったけど、ほんとは父の方がわたしの話し相手になってくれていたんだな。話したいこといっぱいあるんだよ。もうすぐ平成が終わるよ。しっかりしないとね。令和からきちんとします。

おわり。

ああ、「コロラドの月」のこと書くつもりだったのに忘れてた。タイトルにしたのに。また今度書きますね。
2019-04-23 20:00 この記事だけ表示   |  コメント 4

コメント

はじめまして。突然のコメント失礼します。
ご尊父様のご逝去、謹んでお悔やみ申し上げます。

私は去年、母を亡くしました。
自宅で看取ることになり、病院から家に連れて帰り、いよいよ意識が無くなりました。それでも耳は聞こえると言います。
カラオケが好きだった母の近くで、好きな歌を流そうと、スマホで色々探しました。
その中の一曲が、「イビヨル」でした。
真理子さんと、真理子さんの歌ったイビヨルにその時出会い、ステキだったので、他の曲と一緒にずっと流していました。
今でも真理子さんのイビヨルを聞くと涙が出ます。
日々の生活の中の些細なことで母を思い出し、涙が出ます。
私も母をよく買い物に連れて行きました。
母に話したいことがたくさんあります。

母が亡くなってから、真理子さんってどんな人だろうと思い、調べて、twitterをフォローさせてもらっていました。
ご尊父さまのご様態が良くないことを知り、あんじておりました。
いつかどこかで、真理子さんにお礼を言いたく思っており、やっとこの場で言えます。
真理子さんの声に、ピアノに、支えられました。
ありがとうございます。

いつか、ライブでお会いできたらと思います。
あつこ
(2019-04-23 22:00)
ブログ 拝見しました。
お父さまのこと、本当に悲しいことでしたね・・
何時までも、忘れ去ることなんかできないでしょうが、さすがプロフェッショナル!
いつも娘さんたちに、車いすを押してもらい、「切り絵展」お越しいただきましたね・・・
ありがとうございました。
お話の中に入れていただき、心より御礼を申し上げます。
昨日、たったの4年1月の若さで、あの手乗りインコの「ピーちゃん」が4日ほど病んで、星になってしまいました。
涙が出て・・・小鳥でもこんなに悲しいのです。どうぞガンバッテください。
人生、悲しいこともたくさんありますね・・・ 元気を出して乗り越えねば・・・。。  切り絵 陶山
陶山広之
(2019-04-24 11:38)
真理子さん、こんばんは。
今回のブログを何度も読ませて頂きました。
そして思いました。
自分が亡くなった後に、こんな風に娘に思ってもらえる真理子さんのお父様はとても幸せな方だったんじゃないのかなって…。

僕には娘がいないから有り得ませんし、仮に娘がいたとしても、そんな風に思ってもらえるとは到底思えません。
だから読んでいて,いいなぁって思いました。

それからもう一つ。
真理子さんのブログを読んで、愛読している茨木のり子さんの「花の名」という詩を思い出しました。
詩の一節をご紹介します。



女のひとが花の名前を沢山知っているのなんか

とてもいいものだよ

父の古い言葉がゆっくりよぎる

物心ついてからどれほど怖れてきただろう

死別の日を

歳月はあなたとの別れの準備のために

おおかた費やされてきたように思われる

いい男だったわ お父さん

娘が捧げる一輪の花

生きているとき言いたくて

言えなかった言葉です



真理子さんのお父様も、きっといい男だったのでしょうね。

モンテクリスト
(2019-04-27 20:34)
真理子さん、久しぶりにブログを覗いてみました。共感する事が多くて。我が家も父が車を手放して丸2年になります。週一回の買い物さえも、義務になるとやっぱり大変です。ですが、周りの人に話しすると、孝行出来るのは、幸せな事だからって言われます。ホントにその通りですよねー。私も頑張ります!ナオトのライブに全力投球笑笑。あと、マリノさんとのライブ、松江ではもう無いのでしょうか?惚れました❣
吉儀真弓
(2019-05-01 07:10)

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